「小さな家族」 8/5 ルツ4:9〜17
私たちは、主なる神が確かに働きかけておられることを信じています。
それ故に、いつも希望を持って生きていけます。
現在の日本の高校生は、他の国の高校生たちに比べ、将来に対して希望を持てない人が多いようです。
戦後のドイツについて「自分の存在に意味を与えてくれる価値観がなくなり、同時に生活が困難になると、
社会に脱力感が蔓延する」と分析した人がいます。今の日本もそんな状況に近いのでしょう。
そんな時代に、聖書は「主をたたえよ。主はあなたを見捨てることはない。魂を生き返らせ、
支えを与えるために働きかけておられる」と語りかけてきます。
ルツ記に登場するナオミは、存在の意味を失い、未来を失い、脱力感に捕らわれていた人です。
社会の秩序が乱れ、飢饉という経済危機の時代のなかで、懸命に生きようとしました。
ところが、夫と二人の息子に先立たれ、深い悲しみの中で、希望を失い、空しさに捕らわれていました。
ところがこのナオミに働きかける神は、彼女にルツとボアズという人を用意されたのでした。
ルツは、息子の嫁で、故郷に帰ることを拒み、ナオミに付いてイスラエルにまで来た女性です。
このルツによってナオミの生活は養われ、人生が変えられていきます。ボアズは、ルツとナオミを受け入れ、
養い、ルツと結婚することでナオミに孫をもたらします。
「自分はなんて不幸なのだろう」と思いこんでいたナオミに、神はしっかりと働きかけ続けておられました。
その神の働きかけをナオミは知らされたのです。
ルツ記は、ナオミのように希望を失いそうになる現代の私たちにも、神の働きかけが向けられていると迫ってきます。
この神を知って生きよと迫られています。 どん底のナオミと離れず一緒に歩むルツ。損することを覚悟でナオミを
受け入れるボアズ。二人の姿から主イエスを思い起こします。
私たちを受け入れ、共に歩まれる主イエスを神は与えてくださっています。